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内部統制は怖くない!(前編) - 著者インタビュー『戸村智憲氏』

内部統制とは何なのか?右も左も分からないエンジニアが「リスク過敏の内部統制はこう変える!」の著者である戸村智憲氏に聞く!前・中・後編の3回掲載で、前編では内部統制とは何か?ということと、その背景についてインタビュー。

tom0509.jpg戸村智憲

日本マネジメント総合研究所 理事長
公認不正検査士

アメリカ発祥の「公認不正検査士」とは、コンプライアンスや監査などのいわゆる内部統制全般の専門資格。FBIで普通の捜査官から特別捜査官に上がる際や国防総省で一般会計職から会計専門職に上がる際に取得するよう指定されている。戸村氏は現在、日本マネジメント総合研究所の理事長として活動中。明るい内部統制・内部監査を心がけている。日経産業新聞(2007年10月30日)の人気講師ランキング3位を獲得。

内部統制ってなに?

TAKA@:2008年会計年度より適用となるJ-SOX法ですが、これにより各企業では内部統制の強化が求められます。「内部統制」というのはちょっと耳慣れない難しそうな言葉ですよね。

戸村:内部統制は、新しいものと思われたりしますが、結構身近なものなんですよ。例えば、出張申請書にハンコをもらうことは、実は承認という統制行為なんですね。他にも会議をして裁決を取ることも内部統制なんです。実は誰でもやっているわけですよ。

TAKA@:でも内部統制と聞くと会社からやらされているルールという感じが強いと思いますが。

戸村:そうですね。今はいろいろとリスク過敏になって、USBが使えないとか、入退室管理の手続きがうるさくなって困ったと言われます。でも実はその仕組みに沿っていけば、社員の方一人一人の身の潔白を自然と会社が証明してくれるものなんですよ。だからそれさえ従っていれば誰も悪いことも起こせないし、疑う必要もないんです。

TAKA@:なるほど、守られていると考えれば、これほど心強いものはありませんね。

戸村:空港の金属探知機も銃を持っていないことを証明してくれるものです。内部統制とはそういう仕組みなんですよ。社長さんにとっては内部統制をきちんとやっていれば、預かり物としての会社に対し、善良なる管理者としての注意義務、俗にいう善管注意義務を果たしたことになるんです。社長や社員にとってプラスであることはもちろん、会社のお客さんにとっても悪いことができないという証明になるんです。

内部統制が今必要とされる背景は?

TAKA@:そもそも内部統制をこのように意識しなければならなくなった根本的な背景はなんですか?

戸村:昔の話でいくと、卑弥呼の時代の『私は王じゃ、漢委奴國王(かんのなのわのこくおう)である』という金印は、承認という内部統制のご先祖であった可能性がありますね(笑)。

TAKA@:人が集団で生活し始めた頃から既にあったものなんですね。

戸村:直接的には、2000年に大阪地裁で、会社は善管注意義務を負って内部統制を構築・運用をしておく必要があるという判決が出たんです。そのあたりから内部統制というのは、一般的にも判例として重要であるという認識が生まれました。2006年後半くらいから米国から飛び火する形でJ-SOXの話がちらほら出始めて、やがてガイドラインが発表されると、悠長に構えていた企業も「やらなきゃ」という気持ちになって、世の中が一気に盛り上がったんですよ。

TAKA@:すると2000年の事件で内部統制を義務付けたことが大きなポイントと言えそうですね。

戸村:一番の元とは言えないんですが、はっきりと意識できる形で、弁護士業界としても意識すべきとクローズアップされたのがその事件ですね。よく今でも使われる判例です。

TAKA@:でも、J-SOX法が企業に要求する項目は複雑に思えるのですが…。

戸村:確かにJ-SOX法への対応は企業が新たに取り組むべき点ですが、図のように内部統制を一つの大きなキューブで見ると、4つの目的と6つの要素の交差する面を埋めていくだけであることが分かります。これはCOSOモデルとも呼ばれるもので、財務報告の信頼性を高めることが、J-SOX法で強調される部分となっています。

image_1.png

TAKA@:図の財務報告の部分のスペースは、企業ごとの対応が足りていないということでしょうか。

戸村:そうです。今まで企業がバラバラに取り組んできたISO27000系や6シグマなどの規格マネジメントは、このキューブの空いている場所に入ってきただけなんです。たまたまここが成熟してきて埋まったんだなと考えると分かりやすいでしょう。COSOモデルができる以前からみなさんがやってきたことが偶然ここにまとまっただけであり、新しいものを持ってきたのではなく、当然の流れできたというだけなんです。そう考えれば、J-SOX法も内部統制も非常に身近なものであることが分かるはずです。

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関連リンク

* 日本マネジメント総合研究所(JMRI)
* 内部統制の本質を知れ!幸せを手にするための読解力とは? - 書評『リスク過敏の内部統制はこう変える!』

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