はじめて社長になるときに読む本
本書『はじめて社長になるときに読む本』の目的は、正しい経営意思決定のフォローである。2006年の会社法の施行により、取締役一人でしかも資本金1円から起業できるようになったことにより、政府の起業・独立の促進という思惑通りに登記の数が増え、今日に至るまでに起業マニュアルや関連資料が出版・公開されてきた。しかし、いくらこれらに目を通した上であっても、会社毎の事業内容の違いから個別の疑問というのはどうしても残ってしまうものである。その中でも特に共通して挙げられる疑問は、会計・税務をプロに任せるべきか?というものだろう。
本書は、駆け出しの経営者に贈るよくある質問集であり、前述の疑問をカバーするための「会計税務のプロへの任せ方」というポイントについて全体を通して教えてくれている。一問一答という単純なものでなく、会社に合わせた経営判断ができるように、いくつかの選択肢を用意して回答しているのが特徴的だ。また、著者の会計事務所が普通と違って株式会社であるため、より経営に近い視点を持ち合わせた会計税務サービスを行っている点もあり、本書を通してこれから起業する経営者の意思決定を手助けするコンサル的な要素を垣間見ることができる。
プロへの任せ方は、大きく「すべて任せる」、「部分的に任せる」、「自分達で対応する」に分かれるが、経営者の中には会計税務も勉強してきたあるいは経験を積んでいるから、自分達でやってやる!と意気込む人もいると思うがそこはちょっと冷静になりたいところだ。本書でも指摘されているが、中途半端に会計に詳しかったり、事業にはまだ自信がないが会計に自信があるから自分たちで全部やってしまおうという経営者ほど危ないものはないという。経営者にとって事業を営むことこそ果たすべき業務であるため、会計税務やルーチンワークをプロに任せるという選択を本書にて改めて考えさせられる。
書籍名:はじめて社長になるときに読む本
著者名:中村 健一郎
発行元:株式会社アントレ
発行日:2009年5月28日
ISBN:978-4-434-13195-0
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